今期の朝ドラ「おかえりモネ」。
めちゃめちゃハマってますw
地味、とか盛り上がりが少ない、という批評も見かけたりしますが、そこに期待していると
確かにドラマチックさ、には欠けるのかもしれません。
このドラマの本質は、どこまで人の心や傷に寄り添えるか、というテーマを模索していく人たちを中心に
描いているところだと思います。
脚本を書いてらっしゃる安達奈緒子さんもそのようなことをおっしゃっておられました。
地震、台風などの自然災害によって、仕事や家を失った人、心に傷を負った人の本当の状況や心情は
それを経験していない人には決して理解することはできません。
病気やケガ、障害などをもっている人に対してもそうですね。健康な人にはなかなかその実情はわかりません。
頑張って想像して、自分に置き換えて考えてみる、ということくらいしかできないわけです。
闇を抱えている人の中には、そこを抜けだしたくない人もいます。
なんとかしてあげたい、と思う側からすれば、一刻も早く、そこから引きあげてあげられたら、と思うのでしょうが
本人が本当に心の底から光を見たい、変わりたい、抜け出したいと思わなければ、結局は何も変わらないし、何をすることもできません。
見ている方はつらいですね。
特に心理に関わることなどは、当の本人も気づいていないことが多々ありますから、まず自分で、自分の状況や気持ちに
気づくところから始めなければならない。大変地道で地味で先の見えないことです。
変わるとしても、タイミングや出会いなども関係してくるので、何がどうなって、こうなる、という基準もありません。
たとえば
ドラマの中でいうと、Aさんは幼馴染に「話を聞くよ」と言われ、「そういうのいいから」と拒否をしてしまいます。
Bさんはたまたまなんとなくぽろっと自己開示をしたら、それが心を開いていくきっかけになった。
Cさんはずっとなんとか道をみつけたいと思っていて、とあるきっかけで周りがそれをサポートしてくれて前に進めた、という
いろいろなパターンが描かれます。(ほかにもいろいろあります)
でも、Aさんももっと違うタイミングで別の人に同じことを言われて、そこが変わるきっかけになるかもしれないわけです。
今はそうじゃなかっただけ、とか。
世の中、縁やタイミングも大いにあるよなあということを改めて考えさせられる場面も多くあります。
そばでみて、力になりたい、という気持ちは誰でも持つものだと思います、それが大切な人ならなおさら。
なんとかしてあげたい、救ってあげたい、良くなってほしい。
じゃあ何をしてあげられるのか、自分に何ができるのか、
「おかえりモネ」はそこをすごく丁寧に、温かく物語にして私たちに伝えてくれているドラマになっていると思います。
その人を救えるのは結局最後はその人自身です。
勝手に人の世話を焼いて、自分がいいと思う状況に持っていったり、自分の価値感で相手を変えようとしたり、
結果変わったら、良かった、と思う、というのは変えた側のエゴである可能性大です。
人を助けたい、というのは結局自分の不足感を埋めたいだけだったりもします。
本当にその人のためを思って行動する、というのはそう簡単なことではありません。
特に、人を癒す仕事の人、ヒーラーさん、占い師、などにとっては、しっかりと考えていかないといけない
ところだとも思います。
私も毎日、学んでいる気持ちで見ています。
日常のちょっとした人間関係の中でも起こっていることだったりしますので、
普段の生活においてもどうなんだろう、と振り返ったりしています。
「寄り添う」とか「一緒にいる」ということはなんだか大がかりなことでもないように思えて
思っているよりずっと相手を支えることになるのでしょうね。
そして、自分が自分のことを理解して、自分はどうしたいのか、というところをしっかり意識していくことも
大切ですね。自分を活かす=周りを活かす、ことになったりもするからです。
いろいろな化学反応が起きて、自分の見ている世界が少しずつ変わっていくことが実感出来たら、それはとても幸せなことなのだろうと思います。
獅子座の太陽もあと少し。みなさんの世界が輝く太陽で照らされますように。